コンプレックスを改善するヒント!

本音と建前をうまく使い分けられない私は、
「サービス業に向いていないのかもしれない」と、
これまで何度も思ってきました。
本来なら、自分を少し殺してでも
“建前”で営業しなければならないのだろう、と。
そんな考えがいつも頭のどこかにあって、
私はずっと「自分づくり」を頑張ってきました。
私はもともと、ものづくりが大好きです。
絵を描いたり、工作をしたり、日曜大工をしたり。
美術館に行く時間も、今でも大切にしています。
そんな私が美容師になったのは、
カラーやパーマで“デザインをつくる”ことが
純粋に楽しかったからです。
けれど、最近よく思うのです。
「美容」という言葉とは裏腹に、
美容師という仕事は、
お客様の髪を少なからず傷ませながら
成り立っている仕事だということを。
見習いの頃は、そこまで深く考えていませんでした。
髪が傷んだら、トリートメントをすればいい。
正直、それくらいに思っていました。(笑)
多くの方が、そう思って生活されていると思います。
それはごく自然なことだと思います。
ですが、毛髪化学の試験勉強をきっかけに、
私は自分がとても“罪深いこと”を
繰り返してきたのではないか、と気づきました。
一つの考えに偏らないように、
私は常にいろいろな情報を聞き、調べ、
意識的に視野を広げるようにしています。
そして、他店の美容室と比べると
かなりアナログなやり方にこだわって
営業を続けています。
それは、経営者(代表)として
すべての責任が自分にあるからです。(苦笑)
私は、嘘をついてまで営業したくありません。
嘘の上に、お客様との関係を築きたくもありません。
もしかしたら、とても勝手な経営なのかもしれません。
美容師になって24年。
大嫌いだった勉強とも向き合いながら、
「本当に変わっていくもの」と
「長く維持できる美容」を軸に、
ここまで続けてきました。
それでも、SNSのフォロワー数を眺めていると、
即効性のある“変化”を求める人たちが、
今の美容業界を支えているのだな、と
実感する日々でもあります。
本来、美容の薬剤に
「まったく傷まないもの」は存在しません。
痛みにくい、
痛んだように見せない、
被って隠す(ウィッグ)――
そういった商品は山ほどあります。
それらはきっと、
気分転換になり、気分が上がり、
メンタルを保つための
“楽しみのひとつ”なのだと思います。
プシュカルでは、
髪にできるだけ負担の少ない方法を探求する中で、
いつもジレンマが生まれます。
パーマ、縮毛矯正、ブリーチ、カラー。
これは本当に「美容」なのだろうか、と
立ち止まってしまうこともあります。
髪を傷めることで成果を得る――
極端な言い方をすれば、
とても人の心理につけ込んだ業界なのではないか、
と感じてしまうこともあります。
とてもセンセーショナルな表現で
申し訳ありません。
大げさだと感じる方も
おられると思います。
ですが、
「身だしなみよ」
「他人より綺麗に見られたいから」
という理由であれば、
清潔に整えるだけでも十分なはずです。
「それでは個性がない」と言うなら、
洋服や生き方で表現してもいい。
コロナ禍を経て、
私はそのことを強く感じるようになりました。
楽しみが減った。
お金がない。
気持ちが沈む。
「せめて美容室くらいは…」
その言葉を、
私は何度も聞いてきました。
美容室側から見れば、
とてもありがたい言葉です。
けれど実際には、
髪に負担をかけ、
市販のトリートメントを買い漁り、
効果を感じないまま
また新しい商品に手を出す――
そんな負の連鎖を
何度も目にしてきました。
一瞬の快楽に惑わされ、
無駄遣いをしていることに
気づかないまま。
私はきっと、
「ワンダーランド」に行けない人間なのだと
最近思うようになりました。
現実しか見られない人間なのだと。
美容は、これからも進化します。
新しい商品も、
次々と生まれるでしょう。
でも、ケミカルの真実を知れば知るほど、
私の疑問は消えません。
もしかしたらいつか、
「カットと着付けしかしません」
なんて言い出すかもしれません。
パーマもカラーも、
人間が生み出したイリュージョンです。
けれど、
自分の素材が生きてこそ、
ケミカルの力も発揮されます。
知らないまま、
過剰に髪を傷めることは
やめてほしい。
堂々巡りに、
気づいてほしいのです。
本当に必要なことは何か。
自分にしかない素材を、
どう個性に変えるのか。
素材を生かしながら、
ケミカルと付き合う。
それが、
プシュカルの考える美容です。
本当の美容は、
心の中にあります。
癖毛も、白髪も、薄毛も、
すべてが個性です。
過剰な薬剤で
本来の細胞を殺してしまうのは
本末転倒。
自分と向き合い、
自分を好きになることを
日々の思考につなげていく。
「白髪=おばあさん」
そんな時代は、もう終わりました。
素材を生かせる時代。
自分づくりが、
一生の財産になる時代です。
ケミカルは、
健康をつくるものではありません。
美髪を保証するものでもありません。
気分転換のための、魔法の薬
それくらいの距離感が
ちょうどいいのだと思います。
10年やってきて思うこと
私は、
「プシュカルを自分でやりきった」と
思える日が来たら、
この仕事を卒業しようと思っています。
それまで、
変化に気づき、
理解し、
一緒に歩んでくれた方には、
これからも誠心誠意向き合います。
おばあちゃんになっても、
自分の髪で、
ツヤを感じながら
生きてほしい。
滋賀に帰ってきて、
ノンシリコンを言い続けて10年。
時代が、
やっとプシュカルに
近づいてきたと感じています。
「美容」――
美しい容姿。
その言葉は、
とても深いものです。
プシュカルは、
美容は内面から生まれるものだと
考えています。
素材を生かす。
個性をつくる。
体に負担をかけないことを
積み重ねる。
表面に重ねたパテは、
いずれ剥がれ落ちる。
アナログで、
ゆっくりですが、
確実に。
今いる大切なお客様と共に、
これからも
美容のあり方を
探し続けていきたいと思います。

